岩上先生の言いたい放題コラム


「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」


先日、あるお母さまからお電話を頂きました。

「先生、ご無沙汰しております。」

「あー、お久しぶりです、どうされましたか?」

「実は19歳の娘ですが、
1週間前から左足の甲に痛みが出まして近所の整骨院に行きました。
そしたら、その先生曰く、

『全身症状からくるもので整体をしてシップを貼ればすぐ良くなりますから』

と言われ、湿布貼ってたのですがドンドン痛みがひどくなり、
今では、とうとう歩けない状態です。

明日、伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」

「もちろんです、早く診せて見下さい。」

そして次の日、お嬢様が来院され状況を聞くと、
「一週間前から痛くなり、徐々に歩けなくなり腫れも出てきました。
そこの整骨院にはお母様のお友達が
体の調子が良くなったからと言われ紹介されていきました。」

とのこと。

先ずは、足の傷・水虫などの確認。
特に目立った傷はありません。

一週間前ですから、おそらく傷は塞がっています。
外傷などの怪我の痕跡も見当たりません。
腫れの状態から、これは
蜂窩織炎(ほうかしきえん)」
です。

6月から夏にかけて裸足で過ごす日が多い時期に、
気を付けなければいけない感染症です。

発症すると次第に赤く腫れあがり、小さな膿を形成し高熱が出ます。
酷くなると切開をしなければなりません。

早期であれば抗生物質の投与で事は済みます。

このような場合、かかりつけの医師に早期に見せる。
湿布は貼ってはいけません、氷で冷やすのです。

氷も霜のついている氷はマイナス4度からマイナス7度になって居り、
そのまま使うと皮膚を凍傷を起こさせますので、
必ず一度ざっと氷を洗い、霜を取った氷で冷やして下さい。

霜を取った氷であれば、急性慢性関係なく時間の制約はありませんので、
ドンドン冷やして下さい。

整骨院、接骨院の先生の99%はインターンシップを受けておらず、
殆どが、きちんとした医学教育(卒後教育)を受けていないのが現状です。

保険の使えるマッサージ屋になって居りますので気を付けて下さい。

この黄色ブドウ球菌、水虫などの真菌の類は、
アルカリを「餌」にします。

よく温泉などで 
アルカリ泉はお肌がツルツルになり・・・等のうたい文句がありますが、

菌が増殖しますので出た後は水道水で足は良く洗って下さい。

この地球上の表層80㎝位まではアルカリに傾いており、
良しも悪しきも細菌の増殖に向いています。

上に向かい上空に行くに従い酸性に傾きます。
足に水虫が出来ますが手にはできませんね。

人の体、血液は弱酸性、脳は酸性です。
細菌やウイルスから酸性で防御しています。
凄いですよね。

因みにこの19歳の女性、医科歯科大学の医大生でした。
蜂窩織炎の話なんぞ全く解かっていません。

基礎医学、医大を卒業して臨床に携わっても、
10年間は何が何だかわからないのが現状で、
随時臨床にいるベテラン看護師の方がよっぽど頼りになります。

今回はこの辺りで。



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